最高裁判所第二小法廷 昭和51(行ト)11 決定
主 文
本件抗告を棄却する。
抗告費用は抗告人の負担とする。
理 由
抗告代理人佐野隆雄、同宮下明弘、同小川秀史郎、同釜萢正孝の抗告理由第一に
ついて
所論は、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律九七条、八六条の規定
により東京高等裁判所のした過料の決定(以下「本件過料決定」という。)に対し
て即時抗告を認めないことは憲法三一条、三二条、八二条に違反すると主張する。
しかし、下級裁判所の決定に対し最高裁判所に抗告の申立を許すか否かは、審級
制度の問題であつて、憲法が、同法八一条の場合を除き、これをすべて立法政策に
委ねているものと解すべきことは、当裁判所大法廷の判例とするところであり(昭
和二二年(れ)第四三号同二三年三月一〇日判決・刑集二巻三号一七五頁、昭和二
二年(れ)第一八八号同二三年七月七日判決・刑集二巻八号八〇一頁、昭和二二年
(れ)第一二六号同二三年七月一九日判決・刑集二巻八号九二二頁、昭和二三年(
れ)第一六七号同二三年七月一九日判決・刑集二巻八号九五二頁、昭和二三年(れ)
第二八一号同二五年二月一日判決・刑集四巻二号八八頁、昭和二七年(テ)第六号
同二九年一〇月一三日判決・民集八巻一〇号一八四六頁)、右判例の趣旨にかんが
みると、本件過料決定につき違憲を理由とする場合のほかは抗告が許されないもの
と解しても、なんら所論憲法の規定に違反するものではない。所論引用の当裁判所
昭和三七年(ク)第六四号同四一年一二月二七日大法廷決定・民集二〇巻一〇号二
二七九頁は、過料の決定に対し審級のいかんを問わず常に即時抗告を許さなければ
違憲になるとの趣旨を判示しているものではない。論旨は、採用することができな
い。
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同第二について
所論は、公開の対審を経ずに過料を科することは憲法三二条、八二条に違反する
と主張するが、右は本件過料決定自体の違憲を争うものであつて、本件即時抗告却
下決定に対する特別抗告の理由となりうるものとは認められない。
よつて、本件抗告を棄却することとし、抗告費用は抗告人の負担として、裁判官
全員一致の意見で、主文のとおり決定する。
昭和五二年四月一三日
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 大 塚 喜 一 郎
裁判官 岡 原 昌 男
裁判官 吉 田 豊
裁判官 本 林 讓
裁判官 栗 本 一 夫
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